ネットという生き物は、
眠らない。
夜中の三時でも、
誰かの言葉が生まれ、
誰かの感情が流れ、
どこかで小さな炎が灯っている。
静かな画面の向こうで、
無数の声が息をしている。
喜びも、
怒りも、
寂しさも、
一瞬で拡散する。
ネットは巨大で、
やわらかくて、
ときどき牙をむく。
優しい言葉は、
遠くまで届く。
鋭い言葉も、
同じ速さで広がる。
誰かの投稿が、
波になり、
渦になり、
やがて潮目を変える。
まるで海のようだ。
浅瀬で遊ぶこともできるし、
深く潜ることもできる。
でも、
流れを見誤れば、
簡単に足を取られる。
ネットという生き物は、
人の心を食べて大きくなる。
共感という栄養。
怒りという燃料。
承認という光。
私もきっと、
その体の一部だ。
投稿し、
いいねを押し、
検索し、
また流される。
怖いと思う日もある。
便利だと感謝する日もある。
ネットは道具のはずなのに、
いつのまにか、
感情を持った生き物のように
動き続けている。
だからせめて、
飲み込まれないように。
溶けてしまわないように。
私は今日も、
画面の前で呼吸を整える。
ネットという生き物と、
距離を測りながら、
共に生きる方法を探している。
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