2026年2月12日木曜日

ネットという生き物

ネットという生き物は、
眠らない。

夜中の三時でも、
誰かの言葉が生まれ、
誰かの感情が流れ、
どこかで小さな炎が灯っている。

静かな画面の向こうで、
無数の声が息をしている。

喜びも、
怒りも、
寂しさも、
一瞬で拡散する。

ネットは巨大で、
やわらかくて、
ときどき牙をむく。

優しい言葉は、
遠くまで届く。
鋭い言葉も、
同じ速さで広がる。

誰かの投稿が、
波になり、
渦になり、
やがて潮目を変える。

まるで海のようだ。

浅瀬で遊ぶこともできるし、
深く潜ることもできる。

でも、
流れを見誤れば、
簡単に足を取られる。

ネットという生き物は、
人の心を食べて大きくなる。

共感という栄養。
怒りという燃料。
承認という光。

私もきっと、
その体の一部だ。

投稿し、
いいねを押し、
検索し、
また流される。

怖いと思う日もある。
便利だと感謝する日もある。

ネットは道具のはずなのに、
いつのまにか、
感情を持った生き物のように
動き続けている。

だからせめて、
飲み込まれないように。
溶けてしまわないように。

私は今日も、
画面の前で呼吸を整える。

ネットという生き物と、
距離を測りながら、
共に生きる方法を探している。

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