SNSを始めたのは、ほんの軽い気持ちだった。友達に勧められて、なんとなくアカウントを作っただけ。それなのに、気づけば生活の中にすっかり溶け込んでいて、始める前の自分がどんな一日を過ごしていたのか、今ではうまく思い出せないくらいだ。
まず変わったのは、情報との距離感だ。以前はニュースをテレビや新聞から受け取るだけだったけれど、今はタイムラインを開けば、世界中の出来事がリアルタイムで流れてくる。良くも悪くも、情報の速さに慣れてしまった。速報を見てから、テレビで詳しい内容を確認する、という順番が当たり前になった。
人とのつながり方も変わった。学生時代の友人と、何年も会っていないのに、投稿を見るだけで「元気そうだな」と分かる。直接連絡を取らなくても、お互いの近況がなんとなく分かっている、という不思議な関係性ができた。これは、SNSがなかった頃には考えられなかったことだと思う。
一方で、変わらなかったこともある。それは、本当に大切な人との付き合い方だ。SNS上でどれだけ多くの人とつながっても、悩みごとを相談したり、心から笑い合ったりするのは、結局いつも決まった数人の顔ぶれだった。フォロワーの数が増えても、心の支えになってくれる人の数は、そう簡単には増えない。
それから、自分の性格そのものも、実はあまり変わっていない気がする。SNS上では饒舌に見えても、実生活では相変わらず人見知りだったりする。画面越しの自分と、現実の自分は、思っているよりもずれていないのかもしれない。むしろSNSは、もともとの自分の性格を、少し違う形で表現する場所になっているだけなのだと思う。
情報の受け取り方や人との距離感は大きく変わったけれど、何を大切に思うか、誰を信頼するかという根っこの部分は、驚くほど変わらなかった。SNSは生活を便利にし、世界を広げてくれる道具ではあるけれど、自分という人間の核までは、簡単には変えられないものなのかもしれない。
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