何気なくユーチューブを開いて、いつものようにおすすめ動画を眺めていた。
特に目的もなく、なんとなく流し見しているあの時間。
その中に、少しだけ異質なサムネイルがあった。
煙が上がっている街、走る人たち。
思わずクリックしてしまった。
再生された映像は、想像よりもずっと生々しかった。
遠くで響く爆発音。
空に上がる黒い煙。
慌てて避難する人たちの姿。
「え、これ現実なの?」
思わずそう口に出てしまった。
映画でもドラマでもない。
今この瞬間に起きている出来事だと考えた瞬間、
なんとも言えない感覚に包まれた。
世界のどこかで起きていることなのに、
画面越しだとどこか遠い。
でも、音や映像がリアルすぎて、
逆に距離感がバグる。
「これ、世界の終わりかよ…」
大げさかもしれないけど、
その時は本気でそう思った。
それくらい、日常との落差が激しかった。
こっちは普通に部屋で動画を見ているだけ。
でも向こうでは、命の危険がすぐそこにある。
同じ時間を生きているはずなのに、
まるで別の世界みたいだな、と感じた。
動画を閉じたあと、しばらく何もする気が起きなかった。
いつもなら次の動画を探すのに、
その日はただ画面をぼんやり見ていた。
便利な時代だと思う。
遠くの出来事を、すぐに知ることができる。
でも同時に、知らなくてもよかったかもしれない現実まで、
一瞬で目の前に現れる。
あの映像を見てから、
おすすめ欄の見え方が少しだけ変わった気がする。
ただの暇つぶしの場所だったはずなのに、
ときどき、世界の重さをそのまま突きつけてくる場所でもあるんだなと。
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