オンラインゲームを遊んでいると、名前だけ知っている人がだんだん増えていきます。
フレンドというほど話したことはありません。ボイスチャットもしません。会えば「こんばんは」と打って、「お疲れさまです」と返ってくる。それだけの関係です。
ただ、この「それだけ」が、思っている以上に心地いいんです。
名前を見るだけで、ちょっと安心する
いつもの時間にログインすると、同じ人がいる。ロビーに見慣れた名前が並んでいるだけで、「今日もここにいていいんだな」と感じます。
話し込んだわけでも、悩みを聞いてもらったわけでもありません。相手のことは、ほとんど何も知りません。それでも、顔の見えない街の中に「いつもの人」がいる安心感は、確かにあります。
近所のお店で、お互い名前も知らないまま会釈だけする常連さん。あの感じに少し似ているかもしれません。
距離が近づきすぎると、ネットは急に疲れる
反対に、ネットの関係で疲れたことも何度かあります。
メッセージにはすぐ返さなきゃいけない気がする。ログインしない日があると、「最近いないね」と言われる。誘われたら断りにくい。ひとつひとつは小さなことでも、積み重なると重くなっていきます。
仲良くなることは、悪いことではありません。ただ、仲良くなった分だけ、気をつかう量も増えるんですよね。
挨拶だけの関係には、その重さがありません。返事が遅れても、数日いなくても、誰も困りません。次に会ったとき、また「こんばんは」と言えば、それで元通りです。
「何も求めない」から、続く
挨拶だけの関係がいいと思う理由は、お互いに何も求めていないところだと思います。
- 相手の事情を詮索しない
- 返事を急がせない
- 仲良くなる努力をしなくていい
- それでも「いる」ことは分かる
この「ほどよく無関心で、ほどよくあたたかい」距離は、意外と作るのが難しいものです。現実の人間関係では、ここまで軽くはなかなかいきません。ゲームという「同じ場所にいる理由」が最初からあるから成り立つ、ネットならではの距離感だと思います。
もちろん、深い関係が悪いわけではない
誤解のないように書いておくと、ゲームで出会って長く話す仲間ができるのも、とても素敵なことです。実際にそこから大事な友人になる人もいます。
ただ、「ネットの人付き合いは、仲良くならなければ意味がない」とは思わなくていいんじゃないかな、と最近感じています。
仲良くなってもいい。ならなくてもいい。挨拶だけで終わる関係にも、ちゃんと居場所があります。
自分に合う距離を選べばいい
ネットでの人付き合いは、リアルよりも距離を選びやすい場所です。近づくのも、離れるのも、自分のペースで決められます。
最近の私は、画面の向こうの名前に「こんばんは」と打つだけで、少し気持ちがほぐれる夜があります。それくらいの関係が、今の自分にはちょうどいいのかもしれません。
あなたにとって、ネットでいちばん心地いい距離感はどのくらいでしょうか。
ログインした先で、いつもの名前を見かけたら、今夜も一言だけ。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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