今日のお昼ごはん、何にしようか。
たったこれだけのことなのに、私たちは毎日いくつもの「選ぶ」をこなしています。何を食べるか、何を着るか、どの動画を見るか、どの商品を買うか。数えてみると、一日に数百回は何かを選んでいると言われることもあるくらいです。
そんな「選ぶ」という行為を、AIが代わりにやってくれる時代が、もうすぐそこまで来ています。
すでに始まっている「選んでもらう」暮らし
実は私たちは、もうかなりの場面でAIに選んでもらっています。
動画サイトを開くと、おすすめが並んでいる。通販サイトを開くと、「あなたにおすすめ」が表示される。音楽アプリは、好みに合いそうな曲を勝手に流してくれる。ニュースアプリも、読みそうな記事を先回りして並べてくれます。
これらはどれも、裏側でAIが「この人はたぶんこれが好きだろう」と予想して、選んでくれているものです。
最初は便利だなと思っていたのが、気づけば「自分で探すより、おすすめを見たほうが早い」という感覚が、当たり前になってきました。
これから変わるのは「おすすめ」から「代行」へ
ただ、今までのAIは「候補を並べてくれる」ところまででした。最後に選ぶのは人間。ここが、これから少しずつ変わっていきそうです。
たとえば、こんな未来が考えられます。
- 「今週の夕飯の食材を、予算内でいい感じに買っておいて」と頼むと、AIが選んで注文してくれる
- 「出張のホテルと移動手段を、いつもの好みで手配しておいて」で、予約まで終わっている
- 「この条件に合う保険を、比較して決めておいて」と任せると、AIが候補を絞って契約の手前まで進めてくれる
候補を見せてくれるAIから、選んで実行してくれるAIへ。この変化が進むと、私たちの「選ぶ」の量は、大きく減っていくはずです。
選ばなくていいのは、楽でもあり、少し怖くもある
正直に言うと、これはとてもありがたい話だと思います。
選ぶことは、意外と疲れます。ネットで何かを買うとき、レビューを30分眺めて、結局決められずに閉じてしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。そういう「決断の疲れ」をAIが引き受けてくれるなら、その分の時間と気力を、もっと大切なことに使えます。
一方で、少し気になることもあります。
自分の好みが、AIの予想に寄っていかないか。
AIは、過去の行動から「この人はこれが好き」と学びます。すると、いつも似たようなものばかりが選ばれて、予想外の出会いが減っていくかもしれません。たまたま入った店で見つけた好物や、何気なく手に取った本が人生を変えるような出来事は、無駄に見えて、実はとても大切だったりします。
もう一つは、誰の基準で選ばれているのかという点です。AIがおすすめしてくれた商品が、本当に自分に合っているからなのか、それとも提供している側にとって都合がいいからなのか。ここは、使う側が意識しておきたいところです。
発信する側にとっても、大きな変化になる
これは、ブログやネットで発信している人にとっても他人事ではありません。
これまでは「人間に読まれる」ことを考えて記事を書いてきました。けれど、AIが人間の代わりに情報を探して選ぶ時代になれば、「AIに選ばれる」ことも考える必要が出てきます。
では、AIに選ばれる記事とは何か。私は、次のような記事ではないかと思っています。
- 情報が正確で、根拠がはっきりしている
- 誰が、どんな経験をもとに書いたのかが分かる
- 読む人の疑問に、きちんと答えている
- 他では読めない、自分だけの視点や体験が入っている
結局のところ、「人間にとっていい記事」と「AIに選ばれる記事」は、そんなに遠くないのかもしれません。小手先のテクニックより、誠実に役立つ情報を積み重ねるほうが、結果的に強い。そんな気がしています。
AIに任せるところと、自分で選ぶところ
AIが選んでくれる時代になっても、すべてを任せる必要はないと思います。
毎日の細かい選択や、比較に時間がかかるものは、AIにどんどん任せていい。その代わり、何を大切にしたいのかという軸だけは、自分で持っておきたいです。
迷ったときに頼れるのは、結局「自分はどうしたいのか」という気持ちです。AIはその気持ちを汲み取る手伝いはしてくれますが、気持ちそのものは、私たち人間にしか持てません。
おわりに
人間の代わりにAIが選ぶ時代は、きっと便利で、少しだけ不思議な時代になります。
選ぶ手間が減るぶん、時間も気持ちも余ります。その余白を、自分の好きなことや、大切な人のために使えたら、それはとても豊かな変化だと思います。
便利さを上手に受け取りながら、自分の「好き」を手放さない。そんなふうにAIと付き合っていけたらいいなと、思っています。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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