2026年10月16日金曜日

「また不正アクセスのニュースか」と思わなくなってきた自分が、いちばん怖い

 朝、スマホでニュースを開く。

「○○社で不正アクセス、最大数十万件の個人情報が流出した可能性」

……ふーん、と思って、そのまま指でスクロールしている自分に気づきました。

数年前なら「うわ、またか」と声が出ていたはずなんです。それが今は、天気予報を見るのとほとんど同じ温度で画面を流している。「また」とすら思わない。

ニュースの内容より、この慣れてしまった自分のほうが、ちょっと怖くなりました。

慣れは、いつのまにか来る

不正アクセスのニュースは、ここ数年ほんとうに増えました。

  • 通販サイトの会員情報が流出
  • 大手企業のサーバーが攻撃されて業務が止まる
  • 「なりすましログイン」でアカウントが乗っ取られる
  • 見覚えのある名前の会社から、お詫びのメール

1件1件はそれなりに大きなニュースのはずなのに、毎週のように流れてくると、人間の感覚は静かに麻痺していきます。

慣れること自体は、悪いことではありません。毎回全力で驚いていたら、心がもたないですから。ただ、「驚かなくなった」ことと「安全になった」ことは、まったく別の話なんですよね。

ニュースに慣れても、攻撃は慣れてくれません。

「自分は関係ない」という思い込み

私が無意識にやっていたのが、「どうせ大きい会社の話でしょ」という切り分けです。

でも、流出した情報の中身を考えてみると、名前、メールアドレス、電話番号、住所、パスワード。その「会員」の中に、自分が入っていないと言い切れる根拠は、実はどこにもありません。

過去に登録して、もう使っていないサービス。ポイント目当てで作ったアカウント。キャンペーンのためだけに入れたメールアドレス。そういう**「存在を忘れたアカウント」ほど、守られないまま残っている**ことが多いんです。

ニュースを読み流している間にも、自分の情報がどこかにぽつんと置かれている。そう考えると、他人事の顔はしていられなくなります。

怖いのは、攻撃より「無反応」

不正アクセスの手口は年々巧妙になっています。それでも、被害の入り口は意外と地味です。

  • 同じパスワードを、いくつものサービスで使い回している
  • 届いたメールのリンクを、何も考えずに開いてしまう
  • 「あとでやろう」と二段階認証を後回しにしている

つまり、攻撃する側に特別な技術がなくても、こちらの「まあ大丈夫でしょ」という気持ちがあれば、十分に隙になる。

ニュースに反応しなくなるというのは、その「まあ大丈夫でしょ」を、毎日少しずつ育てているのと同じなのかもしれません。

大げさなことはしなくていい

とはいえ、ニュースのたびに不安になって眠れなくなるのも違うと思います。私が最近やってみたのは、本当に小さなことだけです。

  1. よく使うサービスのパスワードを見直す(まずは、メールとお金まわりだけでも)
  2. 二段階認証をオンにする(設定画面を開いて、数分で終わるものが多いです)
  3. 使っていないアカウントを一つ消す(一日一個で十分)

これだけで、「ニュースを見る自分」の気持ちが少し変わりました。画面を流すだけだった記事が、「自分のところは大丈夫だったかな」と一瞬立ち止まるきっかけになるんです。

おわりに

「また不正アクセスのニュースか」と思わなくなったのは、慣れたからでも、強くなったからでもなく、ただ感覚が鈍ったから。そう気づけたことが、今回のいちばんの収穫でした。

ニュースの大きさに驚けなくなったなら、せめて自分の足元を、たまに確認する。それくらいの距離感で、これからもネットと付き合っていきたいと思います。

あなたは、最後にパスワードを変えたのはいつですか?

ここまで読んで頂き、ありがとうございます

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