オンラインゲームをしていると、必ず一度は出会う場面があります。
「ちょっと抜けます」
この一言のあと、チャットはしんと静まり返ります。
「ちょっと」と言うからには、5分か10分くらいだろう。そう思って、私たちは待ちます。ところが、10分たっても戻ってこない。30分たっても戻ってこない。1時間たっても、画面の中にはキャラクターがぽつんと立ち尽くしたままです。
今日は、そんな「ちょっと抜けます」の不思議な時間感覚について、ゆるっと書いてみたいと思います。
「ちょっと」の長さは、人によってまったく違う
「ちょっと」という言葉ほど、人によって長さが違うものはないと思います。
トイレに行くだけなら、本当に2〜3分でしょう。ところが「ちょっとご飯を食べてきます」になると、もう30分は覚悟したほうがよさそうです。「ちょっとお風呂に入ってきます」なら、1時間は戻ってこないと見ておくのが無難です。
では、3時間戻ってこない人は何をしているのか。
私の勝手な想像ですが、おそらく本人は「ちょっと」のつもりなのです。悪気はまったくありません。ご飯を食べて、洗い物をして、ついスマホで動画を見て、気づいたら寝転がっていて、ふと時計を見たら3時間たっていた。たぶん、こういう流れではないでしょうか。
つまり「ちょっと抜けます」は、嘘ではなく始まりの時点では本気の宣言なのだと思います。その後の人生に何が起こるかは、本人にも分からないのです。
待っている側の心の動き
一方で、残された側にも物語があります。
最初の10分は、まだ余裕があります。「トイレかな」「宅配便かな」と、優しい気持ちで待てます。
30分を過ぎるころから、少しそわそわし始めます。「もう戻ってくるかな」と、チャット欄をちらちら見てしまいます。
1時間を過ぎると、「これは長いぞ」と悟ります。でも、先に進めてしまっていいのか迷います。置いていくのは申し訳ない気もする。
そして2時間を過ぎるころには、不思議と気持ちが静かになります。もう怒りでも心配でもなく、「あの人は今ごろ、どこで何をしているのだろう」と、遠い人に思いをはせるような気分になるのです。
3時間たってやっと戻ってきたと思ったら、最初のひと言が「おまたせ!」だったときの、あの何とも言えない空気。あれもまた、オンラインゲームの味わい深いところかもしれません。
実はいちばん多いのは「寝落ち」説
ここまで書いて思ったのですが、3時間戻ってこない理由として、いちばん現実的なのは寝落ちではないでしょうか。
ちょっと休憩のつもりで横になった。目を閉じたのは、ほんの数秒のつもりだった。気づいたら朝だった。
これなら、本人に悪気がないのも、戻ってこないのも、すべて説明がつきます。
そう考えると、画面の中でじっと立っているキャラクターが、ちょっといとおしくなってきませんか。持ち主が夢の中にいる間も、ずっとその場所で待ち続けてくれているわけですから。
待たせないための、ちょっとした工夫
とはいえ、一緒に遊んでいる仲間を待たせてしまうのは、やっぱり気になるものです。
もし自分が「ちょっと抜けます」を使うときは、こんなひと言を添えるだけで、印象がずいぶん変わると思います。
- 「10分くらいで戻ります」と、おおよその時間を伝える
- 長くなりそうなら「先に進めてて大丈夫です」と添える
- 戻れなくなったら「すみません、今日はこれで落ちます」と、あとから一言だけ残す
たったこれだけで、待っている側の気持ちは、ずっと軽くなるはずです。
まとめ
「ちょっと抜けます」は、優しい言葉に見えて、実は時間の感覚を試される言葉だと思います。
言う側は本気の「ちょっと」で、待つ側はそれぞれの時間を過ごし、そして戻ってきたときには、なぜかお互いに笑ってしまう。そんなゆるやかな空気も含めて、オンラインゲームの楽しさなのかもしれません。
あなたの周りにも、3時間戻ってこない「ちょっと」の達人はいませんか?
もしかしたら、それはあなた自身かもしれませんね。
ここまで読んで頂き、ありがとうございます
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