昔、ネットは少し特別だった。
パソコンの前に座り、
接続音を聞きながら、
どこか遠い世界につながる感覚を味わっていた。
知らない誰かのホームページ。
手作りのデザイン。
やたらと多い外部リンク。
クリックするたびに、
違う景色が広がっていった。
あのころのネットは、
冒険だった。
でもいつからだろう。
ネットは、ただのインフラになった。
水道や電気のように、
あって当たり前のものになった。
検索して、
答えを見て、
閉じる。
感動も驚きもなく、
必要な情報だけを取り出す。
効率は良くなったのに、
少しだけ味気ない。
SNSも動画も、
整えられた画面の中で、
同じような情報が流れていく。
昔のように迷子になることは減った。
でも、偶然の出会いも減った気がする。
ネットがただのネットになった時、
それは成熟したということなのかもしれない。
けれど心のどこかで、
あの少し不便で、
少し雑多で、
だからこそ面白かった世界を、
まだ探している。
今も画面の向こうには、
きっと誰かの小さな声がある。
効率の波に流されながらも、
ときどきは寄り道をしてみようと思う。
ネットがただのネットになっても、
使い方次第で、
まだ少しだけ、冒険に戻せる気がするから。
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