昔、ネットはもっと広かった気がする。
画面の向こうに、無数の個人サイトがあって、
色も形もバラバラで、
どこか素人くさくて、
でも確かに生きていた。
リンクを辿れば、知らない誰かの日記にたどり着き、
そこからまた別のページへ飛んでいく。
「ネットサーフィン」という言葉が、本当に似合う時代だった。
今はどうだろう。
開けば、だいたい同じようなデザイン。
検索をすれば、似たような記事。
SNSを見れば、似たような意見。
便利にはなった。
でも、狭くなった気もする。
大きなプラットフォームの中で、
私たちは回遊している。
外に出なくても、
ほとんどの情報が手に入る。
それは快適だ。
けれど、知らない世界に偶然出会う確率は、
少し減ってしまったのではないだろうか。
アルゴリズムは、
「あなたが好きそうなもの」を見せてくれる。
でも、
「あなたがまだ知らないもの」は、
あまり見せてくれない。
気づけば、
自分と似た人たちの声ばかりを聞いている。
それは安心だけれど、
同時に、少しだけ息苦しい。
ネットは本来、
世界とつながるための場所だったはずだ。
なのに今は、
自分の興味の輪の中を、
ぐるぐると回っているだけのようにも感じる。
広いはずのネットが、
いつの間にか、
小さな部屋のようになっていないだろうか。
本当に狭くなったのか。
それとも、
私たちの歩き方が変わっただけなのか。
たまには検索窓に、
意味のない言葉を打ち込んでみる。
知らないブログを開いてみる。
更新が止まった古いページを読んでみる。
そうすると、
まだどこかに、
あの頃の広さが残っている気がする。
ネットは狭くなったのかもしれない。
でも、広がる余地は、
まだきっと、残っている。
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