投票日でなくても、
毎日のように意見は交わされている。
いいねやリポスト、
コメントの数が、
まるで小さな投票のように並ぶ。
画面越しの民主主義。
誰もが発言できる。
誰もが反論できる。
権威よりもスピードが優先され、
肩書きよりも共感が広がる。
それは確かに、
ひとつの進歩だと思う。
声を持てなかった人が、
声を届けられるようになったのだから。
でも同時に、
多数の「いいね」が、
正しさの証明のように扱われる瞬間もある。
熟議よりも即答。
対話よりも断定。
深さよりも拡散力。
それは本当に、
民主主義と呼べるのだろうか。
民主主義は本来、
時間がかかるものだ。
意見を聞き、
迷い、
ときには譲り合う。
けれど画面の中では、
答えが急がれる。
立場を示さなければ、
沈黙とみなされる。
画面越しの民主主義は、
可能性と危うさを同時に抱えている。
それでも私は思う。
この場所を、
ただの罵声の広場にしたくはない。
短い言葉でもいい。
完全でなくてもいい。
誰かを否定するためではなく、
理解に近づくための発言が増えたなら、
画面越しでも、
少しは本物に近づけるのかもしれない。
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