2026年2月28日土曜日

画面越しの民主主義

投票日でなくても、
毎日のように意見は交わされている。
いいねやリポスト、
コメントの数が、
まるで小さな投票のように並ぶ。

画面越しの民主主義。

誰もが発言できる。
誰もが反論できる。
権威よりもスピードが優先され、
肩書きよりも共感が広がる。

それは確かに、
ひとつの進歩だと思う。
声を持てなかった人が、
声を届けられるようになったのだから。

でも同時に、
多数の「いいね」が、
正しさの証明のように扱われる瞬間もある。

熟議よりも即答。
対話よりも断定。
深さよりも拡散力。

それは本当に、
民主主義と呼べるのだろうか。

民主主義は本来、
時間がかかるものだ。
意見を聞き、
迷い、
ときには譲り合う。

けれど画面の中では、
答えが急がれる。
立場を示さなければ、
沈黙とみなされる。

画面越しの民主主義は、
可能性と危うさを同時に抱えている。

それでも私は思う。
この場所を、
ただの罵声の広場にしたくはない。

短い言葉でもいい。
完全でなくてもいい。

誰かを否定するためではなく、
理解に近づくための発言が増えたなら、
画面越しでも、
少しは本物に近づけるのかもしれない。

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