昔は、
遠い出来事は遠いままだった。
テレビや新聞が、
選んだ話題だけが届いていた。
今は違う。
ポケットの中に世界がある。
誰かの声が、
一瞬で広がる。
ネットは社会を変えたのか。
たしかに変えた。
小さな意見が可視化され、
埋もれていた問題が光に当たるようになった。
出会えなかった人同士がつながり、
孤独が少しだけやわらいだ。
でも同時に、
対立も速くなった。
怒りは拡散され、
誤解もまた広がる。
変わったのは社会だろうか。
それとも、
私たちの見え方だろうか。
もともとあった不満や不安が、
ただ表面に出てきただけなのかもしれない。
ネットは拡声器のようだ。
声を大きくする。
光も、影も。
便利になった。
速くなった。
でも、
心の余裕まで速くなったわけではない。
画面を閉じると、
世界は少しだけ静かになる。
人と人が向き合う時間は、
今も昔も変わらず大切だ。
ネットは社会を変えたのか。
答えはきっと、
「少しだけ」だと思う。
そしてその“少し”をどう使うかは、
いまも私たちの手の中にある。
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