2026年2月28日土曜日

炎上経済の時代

気づけば、
炎上はひとつの“仕組み”になっている。

誰かの失言。
切り取られた一文。
強く編集された見出し。

火がつき、
拡散され、
アクセスが集まる。

炎上経済の時代。

怒りは数字になる。
批判は再生回数になる。
対立は滞在時間になる。

静かな議論より、
刺激的な対立のほうが伸びる。
冷静な説明より、
断定的な言葉のほうが広がる。

その流れの中で、
誰が得をして、
誰が傷ついているのか。

火は燃えているあいだ、
多くの人を引き寄せる。
けれど燃え尽きたあと、
残るのは疲労と分断だけだったりする。

それでもまた、
次の火種が探される。
沈黙よりも、
騒ぎのほうが価値を持つからだ。

私たちは観客だろうか。
それとも、
知らないうちに薪をくべている側だろうか。

「ひどい」と言いながら共有し、
「問題だ」と言いながら拡散する。
その一つ一つが、
経済の一部になっていく。

炎上経済の時代で、
本当に失われているものは何だろう。

時間か。
信頼か。
それとも、人を待つ余白だろうか。

画面を閉じる。
静かな部屋には、
炎の音はない。

火を見続けるか、
火から離れるか。

その選択だけは、
まだ自分の手の中にある。

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