トレンドに並ぶ言葉を見ていると、
それが「みんなの意見」のように思えてくる。
何万件の投稿。
何十万のいいね。
数字は雄弁で、
とても強い。
ネット世論という幻想。
本当にそれは、
社会全体の声なのだろうか。
声を上げる人は、
たいてい強い感情を持っている。
怒りや不安や、
強い確信。
けれど、
何も書かない人のほうが、
きっとずっと多い。
忙しく働き、
家に帰ってごはんを食べ、
ただ静かに一日を終える人たち。
その沈黙は、
数字にならない。
トレンドにもならない。
それでも、
社会はその人たちの上に成り立っている。
ネットの中だけを見ていると、
世界は極端に見える。
賛成か、反対か。
正義か、悪か。
でも現実の会話は、
もっと曖昧で、
もっと柔らかい。
ネット世論という幻想は、
私たちに安心を与える。
「みんながそう言っている」と思える安心。
けれど同時に、
自分で考える時間を奪ってしまうこともある。
画面を閉じると、
部屋は静かだ。
そこには、
数字では測れない思考がある。
まだ形になっていない疑問がある。
ネット世論がすべてではない。
そのことを忘れないでいたい。
幻想に飲み込まれず、
自分の足で立つために。
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