2026年2月28日土曜日

ネット世論という幻想

トレンドに並ぶ言葉を見ていると、
それが「みんなの意見」のように思えてくる。

何万件の投稿。
何十万のいいね。
数字は雄弁で、
とても強い。

ネット世論という幻想。

本当にそれは、
社会全体の声なのだろうか。

声を上げる人は、
たいてい強い感情を持っている。
怒りや不安や、
強い確信。

けれど、
何も書かない人のほうが、
きっとずっと多い。

忙しく働き、
家に帰ってごはんを食べ、
ただ静かに一日を終える人たち。

その沈黙は、
数字にならない。
トレンドにもならない。

それでも、
社会はその人たちの上に成り立っている。

ネットの中だけを見ていると、
世界は極端に見える。
賛成か、反対か。
正義か、悪か。

でも現実の会話は、
もっと曖昧で、
もっと柔らかい。

ネット世論という幻想は、
私たちに安心を与える。
「みんながそう言っている」と思える安心。

けれど同時に、
自分で考える時間を奪ってしまうこともある。

画面を閉じると、
部屋は静かだ。

そこには、
数字では測れない思考がある。
まだ形になっていない疑問がある。

ネット世論がすべてではない。
そのことを忘れないでいたい。

幻想に飲み込まれず、
自分の足で立つために。

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