新しい投稿を何件か確認して、気になる話題がなければ閉じる。
そのつもりでXを開いたはずだった。
けれど、画面を指で動かすたびに、新しい言葉や画像が次々と流れてくる。
楽しそうな報告。
誰かに対する強い意見。
急いで確認したほうがよさそうなニュース。
たくさん反応されている投稿を見ると、自分も何か書かなければならないような気持ちになった。
何も投稿していない時間が、少しだけ遅れている時間のように感じられた。
けれど、本当は誰かと競争していたわけではない。
見逃した投稿があっても、困ることはほとんどない。
それでも画面を閉じられなかった。
気がつけば、最初に何を見ようとしていたのかも忘れていた。
残っていたのは、たくさんの言葉を一度に読んだあとの、頭の中のざわざわした感じだった。
誰かの怒りを見ただけなのに、自分まで少し落ち込んでいる。
誰かの成功を見ただけなのに、自分だけが何も進んでいないように思えてくる。
Xには、遠くにいる人の気持ちをすぐに知ることができる便利さがある。
知らなかった作品や景色に出会える楽しさもある。
ただ、あまり長く見続けていると、自分の気持ちと他人の気持ちの境目が分からなくなることがある。
だから今日は、スマホを机の上に置いた。
窓を少し開けると、外から生活の音が聞こえてきた。
車が通る音。
遠くで閉まる扉の音。
風に揺れる葉の音。
画面の中ではなく、自分がいる場所の時間が静かに流れていた。
温かい飲み物をひと口飲むと、頭の中のざわつきが少しずつ小さくなっていった。
Xを見ることが悪いわけではない。
ただ、疲れたと感じた日は、無理に最後まで見なくてもいい。
新しい投稿は、閉じたあとも増え続ける。
全部を追いかけることはできない。
だから、自分の気持ちが疲れる前に離れることも必要なのだと思う。
今日見逃した言葉よりも、今日少し休めたことのほうが大切かもしれない。
静かになった部屋で、そんなことを考えていた。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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のぞいてみてください
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