2026年6月27日土曜日

古いキーボードを使い続けて気づいたこと

机の上に、ずっと使い続けている古いキーボードがあります。

新しいものに買い替えようと思えば、いつでも買い替えられるのに、なぜかそのまま使い続けています。

キーの文字は少し薄くなり、よく使う部分だけ光っています。

隙間には小さなほこりが入り、押したときの音も、買ったばかりの頃とは少し違います。

それでも、指を置くと不思議と落ち着きます。

このキーボードで、いくつもの文章を書いてきました。

うまく書けた日もあれば、何を書いてもまとまらなかった日もあります。

何度も消して、何度も打ち直して、気づけば画面の中に言葉が並んでいました。

新しい道具には、新しい気持ちをくれる良さがあります。

でも、古い道具には、自分の時間が染み込んでいるような良さがあります。

指が覚えている位置。

押したときの重さ。

少しだけ遅れて返ってくるような感触。

それらは便利さだけでは測れないものだと思います。

ネットの世界では、次々と新しいものが出てきます。

新しいパソコン、新しいアプリ、新しいサービス。

昨日まで使っていたものが、もう古いと言われることもあります。

けれど、古いものを使い続けていると、速さとは別の場所にある大切なものに気づきます。

それは、慣れていることの安心感です。

何も考えなくても手が動くこと。

道具の癖まで含めて、自分の作業の一部になっていること。

古いキーボードは、ただ文字を入力するためのものではなくなっていました。

迷った時間も、続けた時間も、黙って受け止めてくれる小さな相棒のような存在でした。

もちろん、いつかは壊れる日が来るのだと思います。

そのときは新しいキーボードを買うのでしょう。

でも、その日まではもう少し、この古い音を聞きながら文章を書いていたいです。

便利なものが増えていく時代だからこそ、使い慣れたものを大事にする気持ちも忘れたくありません。

古いキーボードを使い続けて気づいたのは、道具はただの道具ではないということでした。

そこには、自分が積み重ねてきた時間が、静かに残っているのだと思います。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

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